キッツビューエルの街をようやく冷気が支配したようです。雨も雪に変わりチロルの山々に生気をもたらします。
昨日の記者会見では沈痛な表情でスケジュールの変更、コースセットアップについてコメントしていたFISチーフディレクター、ギュンター・フヤラもトレーニング決行にこぎつけホッとしたことでしょう。天敵ではあるけれど慶賀のいたりです。
が、好事魔多し。開始早々オーストリアの高速系スペシャリスト、ハンス・グルッガーがスタート直後のmausefalle (mousetrap=ネズミ捕り)に捕まります。大ジャンプでバランスを崩し大クラッシュ。そのまま斜面を流されて、静止しても微動だにしません。顔面は血まみれです。傍らにいたオーストリアチームのコーチは悲痛な表情であちこちと連絡をとりあっていたのですが、どうやら頭、顔、肩、胸をやられたらしく、かなり重傷のようです。そのまま雪上で30分ほど応急手当を施していたのですが、ようやくヘリで病院へと運ばれました。大事にならなければよいが…。好漢グルッガー選手の無事を祈らずにはいられません。
時折日がさしていたハーネンカムのコースにはいつの間にかしきりと雪が降り続き、トレーニングランはまだまだ続きます。
<追記 : 1/21>
インスブルックの病院に搬送されたハンス・グルッガーは20日夜脳神経に関する緊急手術を施し、手術は成功したそうです。が、全身の怪我に関してはどの程度重傷なのかまだ判断できないということです。