2011/08/25

太陽柱 ( sun pillar )

自然界のいたずら、オーロラのほかに太陽柱がありますね。
これは日本でもけっこう見られる現象だそうです。

サンモリッツで目にしたのは強烈な光の剣だった。
さながらジェダイが手にするライトセイバーですね。
2003.2 St.Moritz 














スウェーデンのオーレではレース中に何度も太陽柱が出現しました。
赤い太陽柱はナイトレースの始まる前、夕方4時頃だったでしょうか。
インスペクション中の選手もしばしレースのことは忘れて見入ります。
2007.2 Åre
2007.2 Åre
2007.2 Åre

悲しみのオーロラ(追記

「 look at! オーロラ!」
突然、傍らのガイドがさけびました。
クイーンズタウンの街で遅い夜食をとってホテルに帰るときのこと。雲ひとつない夜の空を星が埋めつくしています。
けれど自分にはガイドが指さす南十字星の方向にいくら目をこらしても、星以外にはなにも目にはいらなかった。
「 nothing than the stars……」とつぶやくしかありません。
数年前の9月の出来事です。

オーロラをめぐって悲しい思い出があります。
1994年2月、そう、ノルウェーで開催されたリレハンメル冬季五輪取材時。
アルペンスキーのメイン会場となった小さな村クヴィートフィエルには宿泊施設も多くありません。
そこで大会の2シーズン前だったか、クヴィートフィエルでワールドカップが開催されたときに二人の先達フォトグラファーが苦心惨憺してひとりの村人、モハイムさんと話をつけてくれました。前払いする我々の滞在費で、ゴール至近の場所に一軒のロッジを新築してくれるというのです。それが「モハイム邸」。立派な二階建ての山荘です。
そうしてモハイム邸で六人のフォトグラファーと一人の編集者の生活がはじまりました。

冬季五輪史上最北での開催となったリレハンメルの気温は噂にたがわずマイナス40度前後の日々が続きます。村の界わいより日のあたる山の上部の方がいくぶん暖かく感じられるくらい。

モハイム邸では、一日の取材を終えて、今日の「お宝」フィルムを整理し、原稿を書いたあとはいよいよ夜の時間が始まります。
ひたすらストーブの薪をいじる住人。薪のくべ方がわるいとクレームをつける住人。ソファに身を沈めてピュアモルトでのどを潤す住人。明日のスケジュールを念入りにチェックする住人。シェフ担当は台所で夜食の仕込みです。暖かい空気が流れ穏やかな夜がふけてゆきます。

突然だれかが「オーロラだ」とさけびました。
そう、空一面に、それはそれは見事なオーロラがひろがっていたのです。
ガラス戸を開け、デッキに出ると強烈な冷気が肌を刺し、10秒と外にはいられません。
ガラス戸を閉め、家中の照明をすべて消して、しばしオーロラのダンスに見入ります。
30分ほどだったのか、それとも一時間を超えていたのでしょうか、記憶はありません。

やがてオーロラは漆黒の空を静かに消え去っていきました。

ふとわれにかえったときに「だれか写真撮った?」と声がしました。
けれどもだれもカメラを持ち出していなかった。
六人のフォトグラファーと一人の編集者だれひとりとしてオーロラの写真を撮っていなかったのでした。

クヴィートフィエルの夜空にオーロラがすがたをあらわすことは二度となかった。

モハイム邸の前で   photo by Hiro Yakushi
追記:諸兄の名誉のために申し上げますが、この時代はまだフィルムの時代だった。
オーロラを撮るためにはかなり高感度のフィルムが必要だったのですよ。

2011/08/23

窓からの自然光で

宮古出身の友人が山梨から桃を送ってくれました。
桃はちょっとコリッとして皮ごとかぶりつくのがいちばんウマイ。
ほんとにウマイッ(ッてなにもそんなにりきまなくとも…)。

友人はアナウンサーの仕事であいかわらずあちこちを飛び回っている様子ですが、今回の山梨は骨休め。
少しは地震のショックも癒えたかな。

遅々として進まない復興だけれど、友人の家族のみならず被災された方たちが心身ともに元の生活に戻れればと。いつも思うのはそのことです。

QueenstownとMethven − NZ −

東日本大震災のちょうど 三週間ほど前、2月22日に南島最大の都市クライストチャーチを襲ったカンタベリー地震。街がほぼ壊滅状態に陥ったことは、自分の中では今なお生々しい記憶となって残っています。
気のいいクライストチャーチっ子のあのスキーガイドは元気にしているだろうか、いつもおいしい肉を食べさせてくれたあのレストランは…、大聖堂は…と気にかかることばかりです。
実は日本からNZのスキー場へアクセスする最も重要な拠点がクライストチャーチ。


クイーンズタウン( Queenstown )はクライストチャーチから西へ一時間ほどのフライトで行く、湖に面した風光明媚な観光リゾート。この街をベースにカドローナ、コロネットピーク、リマーカブル、トレブルコーンなどのスキー場へアクセスします。いずれのスキー場もチャーターバスでおよそ1時間から3時間圏内。ヘリスキーのベースタウンでもありますね。
ちょっとした道中ですから帰りはワンストップ。ほぼ中間に位置するワナカ湖畔の街で、のどを潤しながらからだをのばします。NZに長期滞在するスキーヤーにとってはワナカがベースタウンになります。アパートを借りて自炊しながらひたすらスキーに没頭します。


カドローナでスキーを楽しんだときは山を下りて国道にはいったところにポツンとあるカドローナホテルへ。入り口に止めてある年代物の「自動車」が目印です。カウンターバーでビールを手にして内庭を散策しながらのイッパイというわけ。この一角だけがまるで時間が止まっているような不思議な情景です。これもまた seventh heaven。


一方マウントハットでスキー三昧、というスキーヤーたちはカンタベリー平野の一角にポツンとある村、メスヴェン( Methven )に滞在します。かつてアルペンスキーのワールドカップが開催されたマウントハットへはここからクルマで40分ほど。ほとんどが二階建てのコンドミニアムやホテルのほかはこれといって目につかない静かな村です。もちろん百メートルほどのメインストリートには数軒のレストランやスポーツショップ、銀行などがあって、村のあちこちには小さなアパートもたくさんありますけどね。
うまそうな骨付きの肉はメインストリートにあるレストラン、ラストポストのスペアリブ。ラムや魚に飽きたら口にしたい一品。そしてメインストリートの外れにあるブルーパブは午後になるとスキーヤーたちで大賑わいです。このパブの向かい、目につかない裏通りに村に一軒しかないリキュールショップがひっそりとあるのですが、酒屋への行き帰りなのについブルーパブに足を運んでしまうのが常です。

2011/08/22

club ski fields − NZ −

あっという間に涼しくなった。いや、むしろ寒いくらいです。
残念ながら、今夏も日本です。

夏が盛りの北半球ですが、南半球はこれから春を迎えようとする冬の季節です。
スキーシーズンのまっただ中。
とりわけ北島、南島に分かれるニュージーランドへは日本からも数百人のスキーヤーが大挙遠征してる模様です。
クイーンズタウン近郊のコロネットピークで先週開催されたFISレース回転第2戦では佐々木明選手が見事優勝を果たしたようです。順当な仕上がりなのかな。

NZ南島にはコロネットピークを始めカドローナ、トレブルコーン、マウントハットなど整備されたスキー場がたくさんあるのですが、近年とりわけ人気があるのは「 club ski fields 」と呼ばれる、南島のほぼ中央部、サザンアルプスに点在するスキーエリア。
ブロークンリヴァー、クレイギイバーン、マウントオリンパスなどなどの、どちらかというとバックカントリースタイルでスキーを楽しむフィールドですね。
いずれも山小屋風のロッジが1軒、簡易スキーリフトが2、3本あるだけなのですが、お椀のようになっている広大なスロープにコースはありません。リフトで上ってちょいとトラバースすればパフパフの処女雪が広がっていて、日が沈むまでパウダー三昧です。

ただし自然が造りあげてくれたこのすばらしい斜面にアプローチするのは容易ではない。
クルマは四輪駆動必須。道なき道を走り、橋のない川を渡り、険しい山道を登ってようやくスキーエリアに到着するのです。だからヘリスキーと同様、エージェントのツアーに参加することもまた必須ですね。

正直スキー場(かな?)に行くまでコワイ、ドキドキする。簡易リフトにつかまって山頂まで上がるのもコワイ。トラバースしてスタートするまでかなりコワイ。
でもね、最初の1本を滑ったらあとは seventh heaven。極上のパウダーにひたれます。

帰途、ふと目にはいった路傍の看板に「 back to reality 」と書いてあります。
「目を覚ませ。現実に戻れ」ということなのでしょうか。

2011/08/07

ぼんぼり祭り − 鶴岡八幡宮 −

日が落ちて、ぼんぼりに火がともされました。
鶴岡八幡宮のぼんぼり祭り。
立秋の前日から3日間ぼんぼりの灯りが境内を照らします。



















ぼんぼり祭りの期間中には鶴岡八幡宮のお祭りがつづきます。
初日の今日は夏越祭(なごしさい)。神主たちが源氏池でお祓いをした後に、舞殿で四人の巫女が「夏越の舞」を奉納します。
明日は立秋祭、鎌倉幕府三代将軍、源実朝が生まれたあさって9日は実朝祭。
夏越祭

立秋の明日からは「残暑」。
夏はまだまだ続きます。


2011/08/05

夏ふたたび

そろそろ立秋です。

ようやく夏の日差しがもどってきたようですね。
だいぶ暑くなってきました。

あじさいの葉の裏側にセミの抜け殻がポツンとひとつ。
ひさしぶりに耳にするセミしぐれがなぜか心地よい。

やはり夏はこうでなくっちゃいけません。
「セミしぐれ」、英語ではやはり「セミのコーラス」というんだろうか…

2011/08/02

いと難し…

今日も朝からたぬきファミリーが竹林でランニングに勤しんでいます。

なんだか夏じゃないですね。
セミの声もいまひとつ。
秋においしいご飯を食べられるように、はやく本格的な夏にもどってほしいですね。
(ケッキョクハソレカイッ)

今は一輪の花も咲いていない草ぼうぼうの庭先で、大きなキアゲハが風に舞っています。

大急ぎで300ミリをセットしてファインダーで追いかけたのだが・・・・・
いっときも休むことなく葉から葉へと飛び回っている蝶をフレームに収めるのはチョー難しい。(オジンだな)
ジグザグに飛行する蝶とタイミングがゼンゼン合いません。
正直にザンゲしますが、この蝶、数十枚撮影しました。
で、まともだったのはほんの数葉。ピンぼけ、ぶれ、フレーム外しが大部分です。
ほぼ全滅といってよいでしょう。

個人的な結論。
蝶の絶対飛行速度はかなりハヤイッ。(断

言い訳の極まりですね…