2017/02/25

<番外> 二人のチョコレート美女 - St. Moritz 2017 -

2011年のガルミッシュ世界選手権で、不肖佐助庵が二大美女に認定したアンナ・フェニンガー改めアンナ・ファイトとララ・グート、今大会ではなんだか影が薄かった。
とりわけスーパーGと大回転のディフェンディングチャンピオン、ファイトは「どうしたんだろ?」と素人目にもうつるくらい滑りに精彩がなかった。
最初のレース、スーパーGで銅メダルを獲得して、これから、と期待されたスイスのララ・グートも途中からぷっつりと姿を消しちゃいました。

原因は二人とも膝の故障。
ファイトは膝蓋腱炎(しつがいけんえん)に悩まされたきたそうで、大会終了後のWCサーキットのレースは全てキャンセル、これからの手術を決意して来シーズンに備えるそう。
グートの方はといえば、複合の滑降種目で3位につけ、二つ目のメダルがもう目の前にあったというのに午後の回転種目に備えてトレーニング中に転倒して左膝に怪我をしちゃった。靱帯と半月板の損傷。グートはすでに手術も終わって、これから来シーズンに備えてしっかりとリハビリが始まるのだろうが、今はベッドの上でインスタグラム三昧の様子。しばらくは要インスタチェックですね。
奇しくも二人のパーソナルスポンサーはチョコレートメーカー。
ファイトの方は日本でも人気のミルカ。
グートの方は、残念ながら日本には入ってきていないスイスの銘品ラグーザ。
不肖佐助庵、二人のチョコレートビューティの復活を切に祈る。

2017/02/19

ヒルシャー2つめの金メダル − St. Moritz 2017 −

大会最終日、男子回転です。
こちらはノルウェイのヘンリック・クリストファシェン、ドイツのクリスチァン・ノイロイター、ロシアのアレクサンダー・コロシロフら強豪揃い、いかなマルセル・ヒルシャーとて安穏とレースに挑むわけにはいきません。
が、きょうは最強のライバル、クリストファシェンの調子がいまひとつ。終わってみれば二つ目の金メダルがヒルシャーの掌中に転がり込んでいた、ということだった。
 ジャパンチームのエース湯浅直樹も登場したのだが一本目、急斜面を出たところでコースアウト。
どこか悪いところがあるのかもしれない。
もう一人の小山陽平、予選敗退でこの本戦には出場できなかった。
ところで1月のウェンゲンで引退したはずのイヴィーツァ・コステリッチが予選を勝ち抜いてこのレースに登場、38位に入った。もちろん妹のヤニーツァもいつものとおりサポートしていた。おもえばイヴィーツァが初めて世界選手権の金メダルを獲得したのが2003年のサンモリッツ大会。思い出の地でこんどこそ引退、ということかな。
第二次遠征はこれにて撤収。早く温泉につかりたい………。

2017/02/18

無敵のシフリンV3 − St. Moritz 2017 −

それにしても強いですね。USスキーチームのミカエラ・シフリン、1本目、2本目とも他をよせつけず圧勝してしまいました。これで世界選手権3連勝。
2位地元スイスのウェンディ・ホルデナー、3位にはスウェーデンのフリーダ・ハンスドッター。
ジャパンチームからは安藤麻と清澤恵美子が出場したのだが、若い安藤は1本目にポールをまたいでコースアウト。おそらく最後のビッグレース出場になるだろう清澤は2本目に奮起して38位という成績を残した。
いよいよあすは最終日、男子回転です。ジャパンチームからは湯浅直樹と小山陽平が出場予定。

2017/02/17

犯人は誰だ? − St. Moritz 2017 −

男子大回転は予定通りといおうか、オーストリア、パワーチームのエース、マルセル・ヒルシャーの貫録勝ち。ところが2位に入ったチームメイトのローランド・ライティンガーと3位に飛びこんだノルウェイのライフクリスチァン・ハウゲン、これまでビッグレースはおろかWCサーキットでも3位以内に入ったことがないという無名のレーサー。地道な練習が実を結んだということか。
ジャパンチームからは18歳の小山陽平が初陣を飾り42位。現在双葉高校在学中……といえば、2003年にやはりここサンモリッツで開催された世界選手権に双葉高の大先輩、柏木久美子も出場していたことを思い出す。
ところで1本目と2本目の間にスイス空軍のPC−7チームのエアーショウで華麗な舞を大空に描いてくれたのだが、コース上に張られていたロープに設置されていた移動カメラに機体を引っかけカメラは地上に落下したらしい。幸い観客に被害はなかった模様だが、スイス放送協会は25万スイスフランの損害だそうだ。おかげで2本目のスタートが30分遅れとなった。

2017/02/16

ラ・マルセイエーズ! − St. Moritz 2017 −

今日もカラリと晴れ上がってくれました。
足どりも軽くフォトポジションへ。
陽のあたる雪の上でジャケットを着ていると暑いくらいです。

アルペンスキー世界選手権、きょうから技術系種目四連チャン。
先陣を切って女子大回転、フランスのテッサ・ウォルレイが1本目のリードを守り切って金メダルを掌中にした。2位には猛迫も及ばずUSスキーチームのミカエラ・シフリン、3位には今大会ダウンヒルで4位に入っているイタリアのソフィア・ゴッジア。
レース後にゴールエリアで行われたフラワーセレモニーでは勇壮なラ・マルセイエーズが流れました。フランスの国歌なのだが、つい口ずさんでしまうほどの行進曲ですね。
ジャパンチームからは安藤麻初登場も35位。

2017/02/13

伏兵、ヒルシャーに勝つ − St. Moritz 2017 −

今大会初めてカラリと晴れ上がったサンモリッツ、男子複合です。
1本目は滑降、2本目は回転。雲ひとつない青空をバックに写真を撮るのは実に気持ちがよい。
少しの寒さなら苦になりません。
複合新チャンプとなったのはまたもやスイスが送り出した伏兵、ルッカ・エルニ。ディフェンディングチャンピオンのマルセル・ヒルシャーを、タイム差にして回転ゴール直前で大逆転、劇的な勝利に涙した。チームメイトのマウロ・カヴィイツェルもまた3位に飛びこんで銅メダル獲得。おそるべしスイスの底力、今大会これで6個のメダルを荒稼ぎです。

2017/02/12

スロヴェニアからまた一輪 − St. Moritz 2017 −

順延された男子滑降をきょうに持って来たため午前に女子滑降、午後に男子滑降、さらにその後に男子複合種目の滑降トレーニングという強行スケジュールです。

女子滑降を制したのはスロヴェニアのリイカ・ストウヘッチ。もちろん世界選手権初制覇。男子滑降にスタンバイしなければならなかったからゴールで行われたフラワーセレモニーには行けなくて、TVで観たら、ストウヘッチの頬をひと筋の涙が流れ落ちたのが印象的だった。
今季絶好調のストウヘッチ、ティナ・マゼからのバトンタッチがうまくいったようです。
一方男子滑降のチャンプになったのはスイススキーチームのベアト・フォイツ。スキー競技の華、滑降を制覇したことは開催国スイスにとってまさにこの上ない展開となった。2位にはスーパーGのチャンピオン、エリック・ゲイが入り今大会2個目のメダルをゲット。

2017/02/11

天気晴朗なれど…… − St. Moritz 2017 −

フォトポジションにつくためにコルヴィリアコースにあがった。
春の陽気を思わせるコースではじまったインスペクション中に、ディディエ・デファーゴ。2010バンクーバー冬季五輪滑降の金メダリストです。ゴールエリアには1980年代のスイス黄金時代の主役だったマリア・ヴァリザーも来ていたようです。
視界良好。スイス空軍の精鋭たちが操るパトロイユスイスとボーイングによるデモンストレーションがおわり、この上なくクリアな青空の下で12時に男子滑降がスタートする、はずだった。
………ところが、やがてガスが流れては引き、絶え間なく滑降コース、コルヴィリアの中間部を襲い、幾度となくスタートが延期されて、ようやく2時過ぎになってレースキャンセルが決定された。
ま、ガスが流れている合間には日が射していたから寒くはなかったんだけどね……。
それよりゴールサイドに下りて大観衆にぎゅうぎゅうにもまれながらメディアセンターに行き着くまでが大変だった。
ということであすは男女滑降、長丁場です。

2017/02/10

ワン、ツー、スイス! − St. Moritz 2017 −

冷たい雪の舞うエンガディーナコース、滑降と回転の合計タイムを競う女子複合です。
女王の座に着いたのはスイスの25歳、ウェンディ・ホルデナー。初のビッグタイトルだった。2位にはチームメイトのミシェーレ・ギシン。ホルデナーと同い年です。3位に入ったのはオーストリア、パワーチームのミヒャイラ・キルヒガッサー。17年目の大ベテランです。3大会連続してのメダル獲得はさすがですねえ。

2017/02/09

明と暗 − St. Moritz 2017 −

エンガディンの谷にぶあつい雲海が流れ、ゴール付近は雲のなか。 1時間ほど遅れて女子滑降トレーニングラン開始です。
スタートを待つ間、陽だまりではしばしリラックスした空気が漂います。左から二人目の人物は、1980年代にスイスチームの黄金時代を築きあげた名将カール・フレスナー。いまもスイス女子チームのサポートをしているようです。

ところが男子滑降トレーニングランでは24人のレーサーが滑り終えたところで、こんどはスタート付近にガスが流れしばしレース中断。いったんはレースキャンセルの決定がなされてレース関係者一同撤収を決めこんだのだったが、なぜかクリアになったコース状況をみて急遽レース再開です。結局48人のレーサーがスタートしたところで正式にキャンセルの決定がなされた模様なのだが、不肖佐助庵、24人が滑り終えたところで撤収したのでした。もちろん他のカメラとて同様です。長い時間スタートで待機し続けた選手たちにとってとんだ災難だったことだったが、とりわけ割りをくったのがラップをとったオーストリアのヴィンセント・クリイフマイヤー。まぼろしのトレーニングラン、のっけます。

2017/02/08

クレイジイ・カナック!! − St. Moritz 2017 −

きょうも大ジャンプに失敗してたくさんの犠牲者が出た。21人のレーサーが転倒もしくは旗門を通過できずにコースアウトした。病院直行も数人。これも、トップレーサーからアルペン小国までおしなべて出場機会を与えられる世界選手権ならではの光景といえるでしょう。

男子スーパーGの金メダルを掌中にしたのはクレイジイカナックと称されているカナダ高速系のエース、エリック・ゲイ。2011ガルミッシュ世界選手権の滑降に続いて2個目の金メダルです。2位にはノルウェイのチェティル・ヤンスルード。3位にはゲイのチームメイト、マニュエル・オズボーンパラディが入った。クレイジイカナックが二人も表彰台に上がったのは、1982年グリンデルヴァルトWCの滑降でジェリイ・ソレンセンとローリエ・グラハムが1位と3位を占めたとき以来。クレイジイカナックにとって実に35年ぶりの快挙です。
 ヘッドスキーが表彰台を独占ですね。

2017/02/07

ノーマークの中堅スーパーG新女王へ - St.Moritz 2017 -


インスペクション中にオンコースで懐かしい顔にあった。1990年代に一世を風靡したフランスのダウンヒラー、リュク・アルファン。挨拶もそこそこにレンズを向けたら人なつっこい笑顔を返してくれた。
ようやく雪もやんだきょうは女子スーパーG。本命視されていたUSスキーチームのリンゼイ・ヴォン、オーストリア、パワーチームのアンナ・ファイトがコースアウトするなかで、金メダルを奪取したのはニコル・シュミットホッファー。パワーチームの中堅です。2位にはリヒテンシュタインのサラブレッド、ティナ・ヴァイラーター、3位にはスイスのララ・グートが入ってかろうじて開催国の面目をほどこした。

2017/02/06

ひとふろ浴びて

雪がやんだらなんだか少し暖かくなってきた。

ティナ・マゼに会った


この1月に故国スロヴェニア、マリボールで開催されたレースを最後に現役を引退したばかりのティナ・マゼ、ゴールサイドのプレスセンターで。

きょうのトレーニングラン、雪降りと強風でどうなるか、今のところわからない。

−追記−
11時過ぎにまず男子トレーニングランキャンセル、追うように女子トレーニングランキャンセル。早々に撤収。