18日は男子大回転。あいかわらず白い魔物がカンダハーコースを覆っています。レースは果たして大丈夫だろうか、そればかりが気にかかります。
が、案に相違してカンダハーの視界は前日よりは良好。定刻通りにインスペクションも始まり、定刻通りにフォトグラファーもポジションフィックス。そして予想通りにそのポジションもFISディレクターによって退去させられ、散り散りばらばらになって黙々と他のポジションへ。
さて、インスペクション。2日目の男子スーパーGで3位に入り、組織委員会にコースセットアップについてやんわりと物申して以来、ダウンヒル、スーパーコンバインドをスキップ、1週間にわたって姿を消していたイヴィーツァとファミリー、ようやくピステに姿を現しました。他のスキー場で技術系トレーニングに励んでいたものと思われます。今季の総合優勝を虎視眈々と狙うイヴィーツァにしてみれば万が一の怪我のリスクを回避するのは当然の決断でしょう。リンゼイ・ヴォンもまたしかり。得意種目の高速系が終わるやいなや大回転をスキップ「総合優勝を狙うために少しやすんで集中力を高めるわ」とさっさとガルミッシュをあとにしてしまいました。
女子スーパーコンバインドの日には滑降レース直前にヘリでコースから病院へ直行したスイスチームのコーチもいたし、前日もスリップ滑落して肋骨を折った者もいた。抗議に近い選手の声におされた組織委員会が幾分コースを改善したとはいえ、アイゼンを装着して歩くのさえ恐怖を感じる碧氷のカンダハーでしたからねー。
ともかくイヴィーツァが、ファミリーが、戻ってきてくれてよかったよかったと。
どんよりとした曇り空の下でレースは淡々と続きます。
1本目はスヴィンダルを筆頭に、コステリッチ、リゲティ、キューシュ、ヤンカら、実力者が0.5秒以内にひしめき合うという大接戦。
2本目になってくっきりと明と暗に分かれます。
1本目4位のリゲティ、満を持してゴールするやマットに身を投げ出して喜びを爆発させます。イヴィーツァはそそくさとゴールをあとにし、最後にゴールしたスヴィンダルはタイムを確認したあとがっくりと頭をうなだれます。
リゲティにとってビッグレースのゴールドメダルはトリノ冬季五輪のスーパーコンバインド以来2個目。2位には今季好調のスペシャリスト、シプリアン・リシャールが入り、3位には世界選手権直前のヒンターシュトーダー大回転でワールドカップ初優勝をかっさらったフィリップ・シェルクホファーが飛び込んだ。
やれやれ、カンダハーコースともこれでお別れです。