なによりも被災された方にお見舞いを申し上げなければいけません。
どうか心を強く持って復興に励んでいただきたいと切に思います。
今の自分にはひとりでも多くの方々の無事を祈ることしかできない。
宮古市に実家がある友人がいます。
父親は無事が確認されたのですが、お母さんとはいまだ連絡が取れていないそうです。彼女は現在新潟を回って秋田経由で宮古に入ろうと懸命の努力を続けています。
どうか家族のみんなが無事であって欲しいと。
雪山で取材をしているといつもこうした悲痛なニュースを山の中で知らされます。
阪神大震災の時はイタリアのコルティナ・ダムペッツォでワールドカップの取材中。ホテルでの朝食時にイタリア人の夫婦から知らされました。早口のイタリア語ですから最初はなんのことかさっぱりわからない。慌ててプレスセンターに入ってようやく悲惨な情況が判断できたのでした。
ダイアナさんの事故の時は帰国前夜、奇しくもNZのクライストチャーチにいました。先の地震で崩壊した大聖堂の右手にあるホテルに宿泊し、朝、タクシーで空港への道中、ふと気がつくと街の主だった施設にひるがえっている国旗がどこも半旗だったのです。空港に着いて警備中の警官に聞いてみると「プリンセス・ダイアナが…」と悲痛な表情です。
そして0911NYテロ。このときはやはりNZのマウントハットにいました。麓のメスヴェンに下山してTVをみると「ニュージーランドの人々がNYで数十人死亡…」とブレーキングニュースで流れています。映像を見続けているうちに悲惨なテロだったと思い知らされました。
11日の大震災は八方で。
雪の上で動き回っているから地震があったことは全然気がつかなかった。ふと他の用があって携帯でダイヤルすると何度かけても「接続失敗」のメッセージ。レース後にゴールエリアまでおりてようやく地震のニュースを知ったのでした。
全日本スキー連盟の迅速な判断で、大会は準決勝までの成績をもって結果とすることになり、即日中止という決定がなされました。一年間、さまざまな思いを持ってこの大会に照準を合わせてきた選手たちの悔しい気持は痛いほど理解できます。大会前から苦心惨澹見事な競技バーンをつくりあげた白馬のスタッフの気持ちはいかばかりだったか。が、「中止」というSAJの決定もまたきわめて妥当であったと、心底理解できます。選手たちはまた一年、雪辱の悔しい思いをもって来シーズンこそ決勝なんだとトレーニングを積み重ねていかねばならない。
でもね、そうした気持ちの持続こそ素晴らしい結果につながるのではないかと思いませんか。
佐助庵に帰りついてじっとTVを見続けていると、被災された方々の惨状が繰り返し映しだされます。涙がとまりません。男のくせにとお思いでしょう。どうかお笑いください。
<3/21 追記>
グッドニュースとバッドニュース。
宮古の友人のお母さん、無事だったと知らせあり。実家が高台にあったから津波に流されずにすんだと。
ですが、宮城県の角田市に住んでいる友人の家は罹災。かつて一緒に仕事をした仲間です。寒さにうち震える二人のお嬢ちゃんを連れて実家のある猪苗代経由でようやく妙高の親戚宅に避難した様子。彼女も家族は全員無事だった。そのことが何よりもうれしい知らせだった。