2019/12/16

坂口一民さんをしのぶ会

マウントハットのワールドカップを思い出す。
1990年の夏、8月にニュージーランドで開催されたアルペンスキーワールドカップ、会場となったマウントハットの当時のオーナーだった日本のスキーショップ、ヴィクトリアを代表して坂口一民さんが表彰式でプレゼンターを務めたのだった。

雪がしんしんと降り積む冬のブリッケンリッジを思い出す。
コロラド州ヴェイルで開かれたワールドカップや世界選手権取材時、ブリッケンリッジにある坂口さんの自宅に滞在してくつろがせてもらい、奥さまの料理に舌つづみをうった。
当時ブリッケンリッジスキーリゾートはヴィクトリアの傘下。坂口さんは社長として現地に赴任していて、ヴィクトリアがブリッケンリッジを手放した後も彼の地で暮らしていたのだった。

病に倒れた坂口さんはここ数年は息子の亮さんの勤務先の近く、カナダのバンクーバーの南、ベリンハムというところで療養していたのだが、昨年春になくなったと便りがあった。亮さんは『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『ロード・オブ・ザ・リング』などの水の流れにかかわる特殊効果を担当してアカデミー賞の科学技術賞を受賞した後、バンクーバーにある会社で新たなプロジェクトを開発中だ。

きのう神保町で開かれた「坂口一民さんをしのぶ会」へ行ってきた。
ヴィクトリアの創業社長荻野さんやJOC理事を務めていた「年さん」こと古川年正さんなどスキー界の面々が集まり、帰国中の坂口ファミリーをかこんで賑やかに昔話に花を咲かせた。