2017/06/14

雨花日和

きのう雨の中を二階堂にある瑞泉寺まで散歩してきた。
あじさいがあでやかに咲き誇っているのに一人として参拝客もいない参道から、いびつな石段を登ったところ、山門前にひっそりと石碑がおかれています。
晩年鎌倉飯店のおやじさんの自宅に居候、1985年に没した放浪の歌人、山崎方代の一句。
「手のひらに 豆腐をのせて いそいそと いつもの角を 曲がりて帰る」とあります。
冷や奴でイッパイやったのでしょうか、それとも湯豆腐でイッパイやったのでしょうか。
どことなく身につまされる心持ちになる一句です。

方代はまたこんな句もひねり出していた。
「瑞泉寺の和尚がくれし小遣いをたしかめおれば雪が降りくる」
どうやら先代の住職からときおり酒代をもらっていたらしい。

数年前まで八幡さまの前にあった鎌倉飯店もいつの間にか無くなってしまった。
一度だけ入って、なぜかカツ丼を食った覚えがある。