2013/12/09

センチメンタルジャーニイ − 奈良 −

なんとなく奈良。
高校の修学旅行以来数十年ぶりの古都です。
おそれおおくも寺社仏閣をダシにして好きだったあの娘にこっそりとフレーミングして写真を撮ったことを思い出す……。

大伽藍の中におわす東大寺の大仏さまは風雪に耐え続けてきた鎌倉の大仏さまよりは端整な顔立ちながら、半眼の鋭い眼光はかわりはなく、おもわず身ずまいをただしおのれの小ささに恥じ入るばかりです。

参道の横にひろがる奈良公園では、角を切られたばかりの鹿たちが、ならばとシカパンチの応酬でけんかの相手を威嚇していて、衆生の愚かさをかいま見る思いがします。

あでやかな紅葉があちこちに残る東大寺から、うっそうとした木立を抜けてゆく春日大社は黄金色のイチョウの葉におおわれていて、若いふたりが神妙に神前結婚式。おだやかな奈良、晩秋の一日が過ぎてゆきます。